貿易保険の概要
日本船舶輸出組合(JSEA)では、船舶、舶用機械等の輸出に係る包括保険を扱っており、このため独立行政法人日本貿易保険(NEXI)と「貿易一般保険包括保険(船舶)特約」を締結しております。
●取扱貿易保険
貿易保険制度とは、貿易保険法(昭和25年法律第67号)に基づいて外国貿易その他の対外取引の健全な発展を図るため独立行政法人日本貿易保険が運営している貿易一般保険、輸出手形保険、海外投資保険等種々保険の制度です。
このうちの貿易一般保険は、さらに輸出契約及び仲介貿易貨物契約、輸出代金又は仲介貿易代金の貸付契約、技術提供契約等各種契約に係る保険に分類されます。
日本船舶輸出組合は、これら各種保険のうちの輸出契約又は仲介貿易契約の保険について「包括保険」(輸出者等が一定期間内に締結するすべての輸出契約等を付保する方式で、個別に保険を申し込むより保険料が有利な制度)を取り扱っております。
●対象輸出品
日本船舶輸出組合による包括保険制度の対象となる輸出品は、@新造又は改造する船舶(木造及び木皮の船舶を除く)であって、5千万円以上のもの、及びA舶用の機関、部品及び附属品であって1千万円以上のものです。
●てん補されるリスクの種類
<船積不能(船積前)のリスク>
船積不能(船積前)のリスクについては、非常危険(相手国の戦争、革命、内乱など)又は信用危険(相手方の破産など)により、本邦又は第三国から船積することができなくなったことにより受ける損失がてん補されます。
リスクがカバーされる期間(保険責任期間)は、保険契約締結日から保険契約の最終船積日(船舶の引渡日)までです。
てん補される額は、保険金額、又は実際の損失額にてん補率を乗じて得た額のいずれか低い方です。
<代金回収不能(船積後)のリスク >
貨物の船積等の後、非常危険又は信用危険により、輸出代金又は仲介貿易代金が回収できなくなったことにより受ける損失がてん補されます。
リスクがカバーされる期間(保険責任期問)は、貨物を船積した日(船舶引渡日)から代金決済期限までです。
てん補される額は、損失額に保険金額の保険価額に対する割合(付保率)を乗じて得た額です。
●引受基準
日本貿易保険の短期及び中長期案件の引き受けについては、それぞれ保険料率を決める国別倍率表、決済条件等の基準が定められています。
短期案件: http://www.nexi.go.jp/insurance/ins_kitei/index_frame.html
の「第13部 引受基準」の貿易一般保険包括保険(短期案件)の引受基準について(日本船舶輸出組合)」参照。
中長期案件:日本貿易保険のホームページの「引受方針」参照
日本貿易保険URL:http://www.nexi.go.jp/
●包括保険の申込手続
日本船舶輸出組合の扱う包括保険を利用するには、まず当組合に加入する必要があります。
(組合加入の手続については、日本船舶輸出組合事務局(Tel: 03-6206-1661)に照会)
個々の保険申込みは、次に掲げる日の属する月の翌月末日までに日本船舶輸出組合を通じ日本貿易保険に対し行うことになっております。
@国土交通省の建造許可を必要とする船舶の輸出契約については、当該許可を受けた日
A国土交通省の建造許可を必要としない船舶の輸出契約については、国土交通省に「建造着手予定届」を提出し建造着手日の確認を得た日
B契約発効条件が付されている輸出契約については、当該契約発効の日
Cその他の輸出契約については、当該契約締結の日
参考:包括保険の申込手続
●そのほか
日本船舶輸出組合ではこのほか、バイヤーズクレジットの供与に係る包括保険について保険料の納入を扱っており、このため日本貿易保険と「貿易代金貸付保険包括保険(2年以上)の保険契約の保険料の納入に関する特約」を締結しています。